遊び道具から民芸品へ Wendel夫妻のゲーム盤コレクション第2回競売が映す収集の新潮流

遊び道具から民芸品へ Wendel夫妻のゲーム盤コレクション第2回競売が映す収集の新潮流

ニュースの概要

Bruce and Doranna Wendel夫妻が長年集めたゲームボードの第2回競売が、10月21日にNew England AuctionsとBidsquareを通じて開かれる。出品の中心は、19世紀後半に米国で作られたパーチージ盤や、約1920年にゲーム盤をあしらって作られたテーブルである。注目品の一つは、額装された木製パネルに描かれたパーチージ盤で、予想価格は1,000~2,000ドルとされている。箱入りの市販品ではなく、盤そのものを美術工芸の視点で見せる点が特徴だ。夫妻の収集が数回に分けて市場へ出ていく流れも、この分野の動きを読む手がかりになる。

引用元: Bruce and Doranna Wendelのゲームボードコレクションがオークションへ(Bidsquare)

分析・見解

遊ぶ道具が壁に飾る民芸品へ変わる境目

ゲームボードは本来、遊ぶための道具である。駒を動かし、使い込まれ、角が擦れていく。ところがWendelコレクションでは、その擦れや手描きの色むらが、むしろ魅力として評価される。額装された木製パネルに描かれた19世紀後半のパーチージ盤(=インド起源の双六に近い遊びの盤)に、1,000~2,000ドルの予想価格が付いたのは、その表れだろう。

箱入りの量産品なら、評価の軸は初版かどうか、欠品がないかである。一方、盤だけの一点物は、一枚の絵のように見られる。ここに、玩具収集と民芸収集の大きな違いがある。

約1920年のテーブルが示す、家具としての顔

約1920年のゲーム盤型テーブルは、遊びと家具が一つになった品だ。盤面の図柄に加えて、脚や縁の作り、木の種類も見どころになる。買い手は玩具の収集家だけでなく、古い家具や室内装飾を好む人にも広がる。

買い手の層が厚ければ、片方の市場が冷えても価格は崩れにくい。この点は、紙箱に入った玩具にはない強みである。同じ時代の類似品と比べるときも、盤の大きさや塗りの残り具合で差が出やすく、見る人の目が価格を決める。

第2回という形式に見える、少しずつ売る戦略

今回は第2回の競売である。一度に大量の品を出すと、似た品が重なって値が下がりやすい。数回に分ければ、買い手の予算と関心に合わせて品を出せる。美術品の世界では珍しくない手法だが、ボードゲーム分野ではまだ目立たない。

また、Bidsquareのような入札サイトを使えば、地方の競売会社でも全国の買い手が参加できる。会場に来られない人の入札が、価格を押し上げる余地になる。

一点物ほど、来歴と状態の確認が値を左右する

手作りの盤は同じものが二つとないため、相場がつかみにくい。比べる材料が少ない分、制作年代の根拠や、どの家に伝わったかという来歴(=持ち主の履歴)が値段を左右する。有名な収集家の旧蔵品という事実は、それ自体が信用になる。夫妻の名が前面に出るのも、そのためだろう。

かつて実用品だった古い刺繍の見本布が、のちに民芸品として値を上げた例がある。ゲーム盤も同じ道を歩んでいると見ることができる。ただし予想価格は目安にすぎず、実際の落札額は当日の入札次第である。

ビジネスへの影響

手持ちの品を遊具ではなく飾れる品として見直す

古い盤や関連品を扱う販売者や収集家は、まず商品の見せ方を変えたい。遊び方の説明よりも、描かれた図柄、木材、塗料、制作年代の根拠を丁寧に書く。額装や壁掛けの状態で撮影すれば、室内装飾を求める買い手にも届く。

同じ品でも、玩具として売るか、民芸品として売るかで、想定する買い手と価格帯が変わる。出品前に、どちらの市場で勝負するかを決めておくことが大切だ。

売り出し方は数回に分けて設計する

まとまった数を持つ人は、一度に出さず、時期とテーマを分けて出すことを検討したい。第2回という形は、その実例である。オンライン入札を併用すれば、遠方の買い手も取り込める。

予想価格に幅があるのは、評価が割れやすい品だからである。開始価格は、幅の下限だけでなく、類似品の過去の落札額も確認して決めたい。手数料や送料の負担も、事前に整理しておくと手取りの見通しが立つ。

買う側は状態と来歴の記録を必ず確かめる

購入者は、写真だけで判断せず、割れ、補修、塗り直しの有無を問い合わせたい。来歴の書類があれば保管し、将来売るときの材料にする。木製や紙の品は湿気と日光に弱いため、飾る場合も置き場所に注意が必要だ。値上がりを期待するより、長く手元で楽しめる品を選ぶ姿勢が、結果的に失敗を減らす。

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