クルードとMTGが融合、収集趣味を広げる異色コラボ

クルードとMTGが融合、収集趣味を広げる異色コラボ

ニュースの概要

ボードゲーム「クルード」と、カードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング(MTG)」がコラボした製品「Ravnica: Cluedo Edition」が発売されました。クルードは、屋敷で起きた殺人事件の犯人、凶器、場所を推理して当てる古典的な推理ゲームです。今回は、MTGの人気舞台である都市次元ラヴニカの世界観を重ねた特別版になります。MTG側のカードやキャラクターが、推理の盤面に入り込む形です。国内では、カード情報を扱う「CUBEの部屋」が発売を伝えました。古典ボードゲームと現役のカードゲームが同じ箱で出会う点が、今回の話題の中心です。

引用元: ボードゲーム「クルード」とMTGのコラボ製品Ravnica: Cluedo Editionが発売(CUBEの部屋)

分析・見解

約110年の古典が、人気カードの舞台に移る意味

クルードは1940年代に英国で生まれた推理ゲームです。長い歴史の中で、舞台や登場人物を変えた派生版が数多く出ています。映画やアニメの版、地域限定版などです。今回のRavnica版も、その系譜に連なります。

ただし、相手がMTGである点は大きいです。MTGは1993年に登場し、世界で数千万人が遊んだとされるカードゲームです。ラヴニカは、十の「ギルド(=同じ目的で集う組織)」が争う都市の舞台として、特に人気があります。ギルドごとに色と性格が違うため、推理ゲームの容疑者に仕立てやすいのです。

二つの収集層が同じ箱に重なる仕組み

この製品の強みは、買う理由が二つあることです。ボードゲームの収集家は、クルードの新版として手に取ります。MTGの愛好者は、ラヴニカのファンアイテムとして手に取ります。ふだん交わらない二つの層が、同じ棚の前に立つことになります。

似た例は他にもあります。モノポリーは、映画や球団、ゲーム作品とのコラボ版を何十種類も出し、それぞれに固定客がつきました。コラボ版の価値は、中身のルールより「誰の世界で遊ぶか」にあります。つまり、遊びの核を変えずに、外装だけで新しい客層を呼び込む手法です。

版の希少性が、遊ばれない箱を生む

収集の視点では、コラボ版は難しい面も持ちます。限定数や販売経路が絞られると、未開封のまま保管される箱が増えます。すると、遊ばれる数と市場に残る数に差が出ます。

過去にも、人気作とのコラボ版が発売直後に高値となり、数か月後に落ち着いた例は多いです。話題性で買われた箱は、熱が冷めると供給が余りやすいのです。長く価値を保つのは、箱の状態が良く、付属品が欠けず、ルールブックまで揃ったものです。保管の基本が、そのまま値段を左右します。

紙のカードとボードが、デジタル時代に残る理由

最後に、今の時代背景を見ておきます。画面で遊ぶゲームが増えるほど、手で触れる物の価値は上がります。駒を動かし、カードをめくり、顔を見て推理する体験は、画面では代わりがききません。

クルードは「相手の表情を読む」遊びです。MTGも対面の駆け引きが魅力です。この二つの組み合わせは、対面で遊ぶ楽しさという共通点でつながっています。紙の遊びが、コラボという形で再び光を浴びる流れは、当面続くと見られます。

ビジネスへの影響

異業種コラボは、新しい客層を呼ぶ近道になる

今回の例から学べるのは、自社の強みだけで客層を広げようとしなくてよい、という点です。相手が持つ熱心なファンを、自社の商品に招き入れることができます。小売店であれば、二つの趣味の売り場を近くに置くだけで、買い回りが生まれます。

実務では、まず自社商品と相性の良い相手を探します。条件は、客層が少し重なり、完全には重ならないことです。重なりが大きすぎると新規客が増えず、小さすぎると話が通じません。

中古や収集品を扱う事業者が、すぐ確認すべき点

中古品や収集品を扱う事業者は、次の三点を確認してください。一つ目は、箱や付属品の状態を記録する仕組みです。写真と状態の等級を付けるだけで、買い手の信頼は上がります。二つ目は、発売直後の高値に引きずられない仕入れです。話題の熱は、数か月で冷めることが多いからです。

三つ目は、保管の環境です。湿気や日光は、紙箱の最大の敵です。除湿と遮光の費用は小さく、価値の目減りを防ぐ効果は大きいです。

また、コラボ版を扱うときは、元の作品の版権表記を必ず確認してください。商品説明の誤記は、トラブルの原因になります。

コラボ版は、ブームの波に乗せて売るのではなく、長く持つ価値を説明して売る方が、顧客との関係も続きます。

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